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感想文 家畜人ヤプー 第一巻 沼正三 著

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本のレビューですが、題材があれなんで、こっちで上げたいと思います。

 

家畜人ヤプー 第一巻 沼正三 著

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あとがきによれば、本小説は、1957年12月から1959年6月にかけて、雑誌「奇譚クラブ」に連載されたものを加筆修正した上で単行本となり、紆余曲折をへて1970年に単行本になったものとされています。

まあ、SMの世界に興味がある人なら、「家畜人ヤプー」という小説名は聞いたことがあるでしょうし、「奇譚クラブ」も聞いたことや読んだことがある人が多いと思います。

僕は、小学生の時に兄の部屋に隠し置かれていた「SMセレクト」を見つけ出して興奮したのがSMの世界に興味を持ったきっかけですので、歴史は長いですし、「奇譚クラブ」は濡木痴夢男のグラビアを見たりしていたので、ずい分前から知っていましたが、家畜人ヤプーについては、今まで触れることがありませんでした。

むしろ、ガリバー旅行記の最終章にあるヤプーの島の話の方が覚えています。

 

最近、友だちになった人が、この小説をオマージュしたAVレーベルに関係していたり、別の最近友だちになった人がこの小説、および漫画化されたものを絶賛していたりしたので、僕も遅ればせながら読んでみました。まだ、読み終わったのは第一巻だけですが、第二巻、第三巻は既にポチりました。(第五巻まであります)

第一巻を通じて、特徴的なことがいくつかあります。1950年台という時代が色濃く影響している部分もあります。

今回はそれらの特徴を書いてみたいと思います。

1.白人、特にアングロサクソンに対する強烈な劣等感

日本は1945年までにアングロサクソン国家であるアメリカ、イギリスに完膚なきまでに叩きのめされています。そして、その後の報道や教育において、アメリカ中心のアングロサクソンの価値観こそ絶対であり、日本固有のものは劣後するということを誰もが疑わないという、日本人の価値観が出来上がっていました。

このことにより、小説の中では、支配者たるイース国家は英国女王陛下の系譜を汲む貴族により支配されている。という支配体型が想定されたのでしょう。

実際には日本はアメリカの工業力に破れてたという見方もできますが、アングロサクソン対大和民族という見方も当然あったのでしょうから。

この価値観が極端になり、ヤプン諸島に住む、日本人を源流とするヤプーは白人の道具として生きる運命が与えられたのです。ヤプーは、むしろ、白人に隷属することに喜びを感じるとする表現に、この時代の日本人への抑圧を感じます。

2.女性至上主義

1950年台は、戦前の父家長制が崩壊し、男女同権が教育にも取り入れられた時代です。学校でも、今まで文句を言わなかった女子生徒が対等に男子生徒に議論を挑むようなシーンが多々有ったことでしょう。そのような中で、特に体力、腕力的に秀でていない人が、制度に守られないようになったことによって、必要以上に女性に劣等感を持つようになったという背景が有るかもしれません。

現在のサディズム・マゾヒズムにおいては、主流は男性のサディストに隷属する女性マゾヒストという図式ですが、この小説においては、隷属するのは男性です。奴隷としてのヤプーだけでなく、支配者階級の白人ですら、社会を動かすのは女性で、男性は女性をサポートするという設定が徹底した感じを受けます。

3.排泄物・分泌物に対する崇拝

第二巻で鞭打ち調教のシーンがありそうな伏線が有るのですが(ドキドキ)第一巻では、かなりの部分を主人の排泄物や分泌物を押し頂くヤプーの記載に割かれています。(主人の排泄物を処理するヤプーは便器ヤプーとして人体改造を受けています)

SMの世界の人って、実はその嗜好は多種多様に分かれていて、鞭などで叩かれる事による痛みを与える、与えられることに悦びを覚える人、縄に拘束され、行動が不自由になること、縄による圧迫感を受けること、与えることで悦びを覚える人など、色々な嗜好があり、主人の排泄物や分泌物を押し頂く事で悦びを覚えるのも、そのうちの一つです。

ですので、鞭が好きな人にオシッコを飲ませたとしても、多分悦びのない苦痛しか生まれないでしょう。

よく宴会トークで「私Mだから」とか「俺ドSだから」とかいう人は、実はSでもMでも無いということは、実際にSMの中に入ってしまった人からは、このような視点から判別することが出来ます。

話がそれましたが、おそらく、作者は女性の排泄物や分泌物を押し頂く事で悦びを覚える男性だろうと推測できるわけです。

 

もし、女子トイレに潜り込んで、あこがれの女の子が出したものを便器の下で受け止めるようなことを妄想したことがある人がいれば、そのような人にとっては理想郷が書かれています。

 

4.あらすじ 概略

 紀元3940年代の未来国家イースに住む女性貴族ボーリンが、自分の宇宙船兼タイムマシンを1960年台の地球に難破させるところから話が始まります。

 宇宙船が落ちた所にはドイツ人女性のクララと、日本人男性の瀬部麟一郎が居るのですが、麟一郎が水浴のために全裸でいたので話がややこしくなります。

麟一郎は日本人なので、ボーリンの時代のヤプーの祖先になります。ヤプーは服を着ることはないので、ボーリンはクララと麟一郎をヤプーを連れた女性と勘違いしてしまいます。

その後、更にトラブルがあり、クララと麟一郎は、ボーリンの住む未来世界に行かざるを得なくなるのですが、その世界では、麟一郎の日本人はヤプーとしか認識されず、徐々にヤプー化されていく。

というあたりが第一巻です。

ストーリーの他に、便器奴隷の話など、話が結構飛ぶので、ストーリー重視の方にはちょっと読みにくいかもしれません。

僕は、第二巻での鞭調教シーンが楽しみです。

 

 

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